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レン耐NEWS

Let'sレン耐東日本第13戦・秋ヶ瀬12時間耐久

2024年8月11日

<開催概要>
大会名:PlanBee杯 Let'sレン耐 秋ヶ瀬12時間耐久レース
開催場所:埼玉県・サーキット秋ヶ瀬
開催日:2024年7月6・7日(土・日)
天気:くもりのち晴れ
気温:25.9℃

≪開催クラス≫
グロム5クラス      6台
グロム4クラス      4台
参加チーム:10台 
総勢:67名


国内ミニバイクレースで最長となる12時間耐久のオールナイトレースが今年もサーキット秋ヶ瀬で開催。 当日はあいにくの空模様でスタートが1時間遅れの午後7時スタートとなってしまったが、そんな逆境にも負けずエントラントたちはオールナイトで翌朝6時までの激戦を戦い抜いた。

 

<レポート>

レース当日の夕刻に発生した突然のゲリラ豪雨により、サーキットのあちこちはまたたくまに冠水。1コーナー付近に関しては足首まで水に漬かるような有様となった。 しかし、サーキット&レン耐スタッフやエントラント有志たちの努力によりなんとかレースができるまでに排水。 ハーフウェットの状態ではあったが、決勝レースは予定より1時間遅れの19:00にスタートとなった。

 

まずはオープニングラップを制したのはグロム5クラスの#1「チームプランビー」。 1時間ディレイだったため早くも陽が落ちて、スタート30分を過ぎるころにはすっかりナイトセッションらしい雰囲気となっていく。 ともあれ、レースはまだまだ始まったばかり。

やがて、レン耐常連チームの有志で結成された混成チームである#3「このゆびとまれB」(グロム5クラス)がトップを奪い、それを#5「DAC関東」(グロム5クラス)が追う展開となっていく。

1時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#3「このゆびとまれB」=78周、#5「DAC関東」=78周、#6「OKUTAMA NCA」=75周。

グロム4クラスが#23「ハルチカ」=75周、#22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=72周、#905「熊工☆ホンダ学園」=69周の順。

激しかったゲリラ豪雨の影響はまだ随所に残り、そのせいもあってか散発的に転倒が発生するもそんななか青木治親選手親子3人+謎ライダーがで結成されたグロム4クラスの#23「ハルチカ」が気炎を吐いて快走。

青木治親選手はもちろんのこと息子2人もなかなかに速い。 トップに立つと一気に後続に10周もの大量アドバンテージを築いてしまう。 2番手を走るのはグロム5クラストップの#6「OKUTAMA NCA」だ。

 

2時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#6「OKUTAMA NCA」=157周、#3「このゆびとまれB」=155周、#5「DAC関東」=155周。

グロム4クラスが#23「ハルチカ」=167周、#22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=143周、#21「チームアップス」=130周の順。

#23「ハルチカ」の謎の助っ人ライダーとは、なんと元全日本GP250チャンピオンで200〜2004年にはWGP250にも参戦していた松戸直樹選手であった。2007年に大ケガの影響で現役を退いていた松戸選手だったがレーシングスーツを着てレースに出るのは、それ以来のほぼ18年ぶりのことだとか。 しかし、最初の数周こそ様子見ペースでの走りであったが、やがて持ち前のセンスを発揮。足が自由に動かないというハンデを抱えつつも好タイムの連発で他車を次々とパスしていく。 こうした#23「ハルチカ」の活躍に触発されて、夜も21:00を過ぎたというのに各チームも俄然と力が入り、これまで以上のハイペースとなっていく。

 

3時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#5「DAC関東」=242周、#1「チームプランビー」=238周、#3「このゆびとまれB」=238周。 グロム4クラスが#23「ハルチカ」=245周、#22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=224周、#21「チームアップス」=200周の順。

 

4時間目。

なおも#23「ハルチカ」がトップを守り続ける状態でレースは4時間目に突入。後続との差は15周にまで拡がってしまう。 だが、今回の12時間耐久は長丁場のため各チームはライダー交代の際に3分以上のピットタイムが義務付けられている。国際ライダーのいる#23はハンデのため規定ピットイン回数も多く、合計すると約1時間はピットにいなければならない計算。この後に行われるボーナスゲームも踏まえて、彼らによるとこれでもまだアドバンテージは足りないと言う。 そんな#23を後目に着々と牙を研いでいたのが#4「TeamPRIDEONE」や、やはりレン耐常連参加者による混成チームの#2「このゆびとまれA」だった。

4時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#5「DAC関東」=326周、#6「OKUTAM NCA」=316周、#3「このゆびとまれB」=316周。グロム4クラスが#23「ハルチカ」=341周、#22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=288周、#21「チームアップス」=270周の順。

 

5時間目。

レースは開始してから既に4時間が経過し、深夜23:00という時間帯もあって多くのエントラントたちがそろそろ疲れを隠せなくなってくる頃。 それでも#23「ハルチカ」はなおもペースを緩めず快進撃。この時間帯において青木治親選手はベストラップを更新するというサプライズを見せると、「1スティントでいいかな」と言っていた松戸直樹選手も「やっぱりコースに出ると熱くなってしまうね」と2回目の走行にチャレンジ。気が付けば、#23は後続とのアドバンテージをなんと30周以上まで一気に広げてしまう。 その#23の青木選手や松戸選手の走りに触発されたのが、#4「TeamPRIDEONE」が秘密兵器として招聘していた全日本J-GP3の若手ライダー武中駿選手。 それまでも何度か速さの片鱗を見せていたものの、ここに来てスーパーラップを連発。 レース前半の終了を前に場内を大きく沸かせることとなる。 武中選手はついに治親選手のベスト32秒939を上回る32秒020をマーク。


こうして俄然レースが盛り上がっていく中、午前0:00を持って一旦レースは休止。

小休憩のあと、後半戦が始まることとなった。

5時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#6「OKUTAMA NCA」=404周、#5「DAC関東」=401周、#3「このゆびとまれB」=401周。

グロム4クラスが#23「ハルチカ」=437周、#22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=371周、#21「チームアップス」=349周の順。

6時間目。

これまでの前半戦は通常とは逆回りのコースレイアウトで実施。

小休憩の合間には順回りへのコース改修と各車へのガソリン補給およびジャンプアップのボーナスゲーム大会が行われた。

今年のジャンプアップゲームはおもちゃを使った金魚すくい大会。

前半戦終了時の暫定結果を元に4つのグループに分けられた各チームの代表者が腕を奮って挑戦し、追加ガソリンやボーナス周回数を手にすることとなった。

ちなみに接戦となっていたグロム5クラスのボーナス周回数は最大で15周というところに落ち着いたものの、 #23の爆走で差が大きく開いていたグロム4クラスには最大100周という超大量ボーナスが発生。クラス2番手だった#22「単車倶楽部&ガールズバイカー」ですら+80周という結果となり、ここから#23は一転、必死に追い上げる立場となっていった。

したがって順回りで再スタートした後半戦は、#22が総合トップを走るかたちとなり、2番手はティーンズの学生が中心となる#905「熊工☆ホンダ学園」。#905は序盤での転倒により苦戦を余儀なくされていたチームだ。 グロム5クラスは#6「OKUTAMA NCA」がやや頭ひとつ抜け出るかたちとなるものの、それ以降は比較的差の少ない接戦状態が繰り広げられることとなっていった。

6時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#6「OKUTAMA NCA」=471周、#1「チームプランビー」=465周、#3「このゆびとまれB」=461周。

グロム4クラスが#22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=513周、#905「熊工☆ホンダ学園」=506周、#21「チームアップス」=501周の順。

 

7時間目。

グロム4クラスのトップ争いは#22が3番手に後退し、代わって#21が浮上。#23は激しく追い上げ、トップまで20周ほどあった周回差を13周まで近づけるも、まだクラス最後尾の4番手だ。 グロム5クラスは#6が#1に6周差をつけて、トップを堅持。#1から4周離れて同クラス3番手は#3。この3番手争いは3台が3周以内で争う接近戦となっていた。

7時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#6「OKUTAMA NCA」=471周、#1「チームプランビー」=465周、#3「このゆびとまれB」=461周。グロム4クラスが#22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=513周、#905「熊工☆ホンダ学園」=506周、#21「チームアップス」=501周の順。

 

8時間目。

深夜3:00となり、ピットでは仮眠を取るライダーも目立つ時間帯。 総合トップを走る#22以下ほとんどのチームがついに600周に突入し、レースは進行していく。 そのグロム4クラスは、再び2番手と3番手が入れ替わり、#21が2番手に。 さらに#21はトップの#22まで1周差まで詰め寄っていく。 グロム5クラスも2番手につけていた#1が順位を最後尾まで落とす不運に見舞われ、#3が再び2番手となっていく。 グロム5クラス3番手争いには#5と#4が同一周回数で並び、#5がわずかに先行するというかたととなっていた。

8時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#6「OKUTAMA NCA」=616周、#3「このゆびとまれB」=608周、#5「DAC関東」=602周。グロム4クラスが#22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=635周、#21「チームアップス」=634周、#905「熊工☆ホンダ学園」=629周、の順。

 

9時間目。 ここに来て、再び#23がスパート。前半戦のみで松戸直樹選手が帰宅したあとは青木親子3人で走っていたにも関わらず、8時間目終了時点でトップと20周ほどあった差を一気に縮めると、ついに総合でも先頭に浮上。 2番手には#21が同一周回に並び、ほんのりと東の空が明るくなりそうな中で伯仲した戦いが繰り広げられる。

グロム5クラスも、ついにトップが#3に入れ替わり、こちらは#6と2周差での戦い。 一方、3番手つけていた#5は不運に見舞われて、最後尾まで後退。#1もなかなか挽回のきっかけをつかめず苦しい展開を強いられていた。

9時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#3「このゆびとまれB」=698周、#6「OKUTAMA NCA」=696周、#4「TEAM PRIDEONE」=686周。

グロム4クラスが#23「ハルチカ」=708周、#21「チームアップス」=708周、22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=700周の順。

 

10時間目。

次第に空も白んでくる時間帯に到達。 先頭を走る#23はクラス2番手の#21にじわじわと差を広げようとしながら周回を重ねていく。 総合2番手にはグロム5クラストップの#3が浮上。こちらもクラス2番手となる#6との差を次第に広げながら、#23に追いすがる。 ジャンプアップゲームでボーナスガソリンを得たチームとそうでないチームとの燃費管理も気になるような展開で、順位としては9時間目と変わらぬままレースは最後の時間を迎えようとしていた。

10時間を終えた時点での暫定結果は、グロム5クラスが#3「このゆびとまれB」=780周、#6「OKUTAMA NCA」=775周、#4「TEAM PRIDEONE」=761周。グロム4クラスが#23「ハルチカ」=782周、#21「チームアップス」=777周、22「単車倶楽部&ガールズバイカー」=763周の順。

 

11時間目。

こうして朝を迎え、長かった本大会もいよいよ最後の1時間となる。 総周回数は、なんと800周を突破だ。 さすがの#23も、ここに来てガソリン残量が厳しくなると守りに走りにチェンジ。 代わって燃費管理を徹底していたグロム5クラスの#3が総合トップに躍り出ることとなる。クラス2番手を#6と#4が接近戦で争っている間に、#3は徐々に差を開いていってしまう。 グロム4クラスでは#23がトップを守り続けるも、クラス2番手の#21がすぐ背後まで迫ってくるという展開に。 優勝はおおよそこの5チームに絞られた。 ここまで来ると例年どおりどのチームも目指すは、もはや「完走」の2文字といったはずだが、疲れのピークはとっくに越して逆に元気さえ見えてくる。

 

かくして午前6:00を迎え、チェッカーフラッグが振られてレースは終了。 真っ先にゴールラインを通過したのは#3となった。

このように#3の逆転優勝で幕を閉じたかに思われた本大会だが、表彰式では最後のどんでん返しが待っていた。 868周でレースを終えた#3だったが、長い11時間の間にピットイン未達時間が2回発生しており、ペナルティでまさかのマイナス20周。 854周の2番手でレースを終えた#6が逆転でみごとグロム5クラス優勝をもぎとった。

一方、グロム4クラスは最後の最後で#23と#21が同一周回で戦う熱い展開となるも、どちらもペナルティ減算はなく、10秒早くゴールした#23が勝利。 #23はチャンピオンライダー青木治親選手ということもあり各種ハンデを負わされての参加だったが、それを跳ねのけて悲願の優勝を勝ち取った。

最終結果は次のとおりです。


<グロム5クラス>
1位 #6「OKUTAMA NCA」 854周
2位 #3「このゆびとまれB」 848周
3位 #4「TEAM PRIDEONE」 844周


<グロム4クラス>
1位 #23「ハルチカ」 854周
2位 #21「チームアップス」 854周
3位 #22「単車クラブ&ガールズバイカー」 829周


<特別賞>
#904 熊工☆ホンダ学園に贈られました。
受賞理由は、ホンダ学園在学中のライダーもいれば、人生初のレースをするのにいきなり12時間耐久を選んで完走したことでした