日本海間瀬サーキットで開催された「Let'sレン耐」は、「90分+90分」の変則3時間耐久という特別ルールで実施されました。
午前中のレース1は、午後のメインレース(レース2)のグリッドを決める前哨戦であり、燃料温存などの戦略が鍵を握ります。
今回は初参戦の新人や3名の女性ライダーも加わり、誰もが気軽に楽しめるというレン耐の理念を象徴する一戦となりました。
潮風が心地よく頬を撫でる、5月の日本海間瀬サーキット
3時間耐久レース
●レース1
午前10:30過ぎ、ピットレーンに整列する9台のマシン。日章旗が高々と振り下ろされ、レース1のローリングスタートが切られました。
1コーナーの上りに向けて、フロントローから一気に飛び出したのはCBR250Rクラスの#83「チーム旬、A」です。CBRの圧倒的なパワーアドバンテージを活かし、オープニングラップでいきなりトップに立ちました。
グロム5クラスは、混戦の幕開けとなりました。
1周目のオーダーは1位 #6「M’s」、2位 #1「デリケア」、3位 #7「水曜日倶楽部」の順。前評判の高かった#6 M’sがホールショットを決め、デリケアと水曜日倶楽部がぴたりと追走する展開となりました。
10:54、レース開始から間もなく最初のドラマが訪れます。#81「チーム旬、B」がマシントラブルのためピットイン。エンジン周りを覗き込むメカニックの手が忙しなく動き、約3分間の作業を経てなんとかコースへ復帰しました。
ピットウォールから仲間たちの「行ってこい!」という声が背中を押します。レン耐らしい、温かい一幕となりました。
スタートから30分経過(11:05計測)。
気温は順調に上昇し、コースは完全なドライコンディションです。
総合トップは#83 チーム旬、Aで20周を消化。
グロム5クラスは1位 #7 水曜日倶楽部(18周)が #6 M’sを逆転して首位へと浮上しました。2位 #6 M’s(18周)、3位 #1 デリケア(18周)、4位 #2 あずき最中、5位 #4 うまソーダの順と続きます。
水曜日倶楽部の女性ライダー・嘉瀬直美選手の走りが光ります。
クラス首位へとチームを押し上げる快走を見せました。
しかし、ここからが「変則レン耐」の真骨頂です。各チームは午後のメインに向けて燃料を残すため、淡々としたペースに切り替えていきます。
スタート1時間経過(11:34計測)の時点で、オーダーは大きく入れ替わっていました
M’sがじわりと首位を奪い返し、デリケアが背後にぴたりと付ける構図となりました。気温23℃の中、各車のラップタイムは1分30秒前後で安定し、レースは"省エネモード"と"レース勘維持"の絶妙なバランスを保ったまま90分のチェッカーへ向かいます。
レース1 結果
CBR250クラスは #83 チーム旬、A(59周)で完走。
グロム5クラスの1位 #6 M’s(55周)/2位 #4 うまソーダ(55周)/3位 #1 デリケア(54周)という僅差の決着となりました。
M’sはベストラップ1分25秒734を40周目にマークし、午後のグリッドアドバンテージを確実にものにしました。
●レース2
午後13:00過ぎ、いよいよ総合順位を決するレース2がスタートしました。グリッドはレース1の順序通り、ポールスタートが#83「チーム旬、A」、2番手スタートにはグロム5の先頭として#6「M’s」が入る布陣です。
しかし、ここでも変則レン耐の洗礼が容赦なく襲いかかります。
13:23、レース開始からわずか20分強。グロム5クラスのトップ集団に位置していた#1「デリケア」が、2コーナーで痛恨の転倒を喫してしまいました。幸いライダーに大きな怪我はなかったものの、マシンのダメージは深刻。ピットに戻されたマシンを前にメカニックが必死の修復作業を試みましたが復活は叶わず、チームは急遽予備車両への乗り換えを決断します。再びコースインしたデリケアでしたが、失った周回数は大きく、上位戦線からは大きく後退する苦しい展開となりました。
それでも諦めずにコースに戻る姿に、ピットウォール越しに各チームから拍手が送られます。これぞ、レン耐の精神です。
スタート後30分経過(13:40計測)。気温23℃、晴れ。コンディションは絶好です。順位は以下の通り大きく変動していました。
グロム5:1位 #5 心鍛心磨零心愚(20周、31分3秒479)が、午前は6位に沈んでいたところから怒涛の追い上げで首位浮上!2位 #3 南関東日野自動車(20周)、3位 #6 M’s(20周)、4位 #83 チーム旬、A(CBR、20周)、5位 #7 水曜日倶楽部(20周)
ピットでマシン修復中の#1 デリケアは大きく順位を落とします。#5「心鍛心磨零心愚」トリオが、本領を発揮しました。ベスト1分28秒台の安定ペースで周回を重ね、グロム5クラスのトップに浮上します。午前の燃料温存作戦が見事に的中した形です。
一方、午前にクラス首位を譲っていた#6 M’sも黙ってはいません。ベテラン酒井選手のスティントで1分26秒951の驚速ラップを刻み、虎視眈々と逆転のチャンスを伺います。
スタート1時間経過(14:05)、気温23℃。中盤戦に入り、各車のペースが定まってきます。M’sの三杉選手がコース上で次々と前車をパスし、ついにグロム5クラスの首位を奪取しました。南関東日野自動車も食らいつき、水曜日倶楽部の嘉瀬選手も2度目のスティントで安定した走りを披露します。
そして終盤——。残り20分を切ったところで、ドラマはさらに展開します。
#5 心鍛心磨零心愚に黄旗追い越しのペナルティ(1周減算)が宣告されたのです。これにより、表彰台争いは大きく動くこととなりました。
冷静にトップを守り続けたM’sは盤石。2位争いは#7 水曜日倶楽部と#5 心鍛心磨零心愚、そして#3 南関東日野自動車が絡む大混戦の様相を呈しました。
チェッカー直前、ピットレーンの空気はピリピリと張り詰めました。
水曜日倶楽部・佐野選手はベストラップ1分26秒901を52周目にマークする渾身のアタックで2位を死守。心鍛心磨零心愚はペナルティを受けながらも92分7秒台で57周を走り切り、3位ポジションを掴み取りました。
14:51、フィニッシュラインに翻るチェッカーフラッグ。各車がメインストレートを駆け抜けると、間瀬サーキットには大きな拍手と歓声が広がりました。
CBR250Rクラスでは、#83「チーム旬、A」が58周・91分56秒725で堂々のクラス優勝。
最終ラップ(58周目)にベスト1分24秒857をマークするという、ラストまで攻め抜く圧巻のパフォーマンスを見せました。萩野選手・田中選手・齊藤選手の3名がヘルメットを脱いだ表情には、変則レギュレーションを完璧に攻略した充実感が滲んでいました。
FINAL RESULTS
変則3時間耐久レース
CBR250クラス
| 順位 | No. | チーム名 | 周回数 |
|---|---|---|---|
| 1位 | #83 | チーム旬、A | 58 Laps |
GROM5クラス
| 順位 | No. | チーム名 | 周回数 |
|---|---|---|---|
| 1位 | #6 | M's | 59 Laps |
| 2位 | #7 | 水曜日倶楽部 | 57 Laps |
| 3位 | #5 | 心鍛心磨零心愚 | 57 Laps |
総括
終日快晴という最高のコンディションのもと、
変則90分×2のレギュレーションが生む独特のドラマで幕を閉じました。
人生初のレースに挑んだ新人ライダーが完走を果たし、
3名の女性ライダーがそれぞれのチームを牽引した今回のレース。
ミニゲームでピットに笑い声が溢れ、勝負どころでは固唾を呑む——
緩急の効いた1日は、まさに「誰もが主役になれるレース」という
レン耐の理念を体現していました。
RACE DATA
- 開催名称:Let'sレン耐間瀬 変則3時間耐久レース
- 開催日時:2026年5月17日(日)
- 開催場所:日本海間瀬サーキット (新潟県)
- コンディション:天候:晴れ / 気温 22度 / コース状況:ドライ
- 参加台数:CBR250Rクラス 1台・Grom5 8台 (合計 9台 / 26名)