RACE REPORT
2026.7.26 (日)
【中日本シリーズ第4戦】
KIJIMA杯 Let’sレン耐
明智 6耐ふぇす。

7月最終週末、中京地区の明智ヒルトップサーキットは朝から容赦ない日差しに包まれました。
気温31℃。真夏の6時間耐久となれば、戦う相手はライバルチームだけではありません。
暑さそのものとの闘いです。

だからこそ、今大会は特別なレギュレーションが敷かれました。
通常の6時間ノンストップではなく、レース中盤の11時にいったん赤旗で中断。
30分の強制休憩でライダーとマシンをクールダウンさせ、その間に運命の「ジャンプアップゲーム」でハンデを決めてから、ローリングスタートで後半戦へ突入します——まさに「ふぇす。」の名にふさわしい、遊び心と安全配慮が同居した変則耐久レースとなりました。

集合写真

朝のパドックには氷の入ったクーラーボックス、積み上げられたドリンク、日除けのタープが張り巡らされ、各チームは完全に持久戦モード。

初心者講習では「水分はこまめに。無理をしたら即ピットへ」と、いつも以上に暑さへの注意が繰り返されました。

8:00、日章旗が振り下ろされ、真夏の6時間が始まりました。

6時間耐久(6耐)ふぇす。

序盤〜2時間:ばらばら伝説の独走劇

スタートから飛び出したのは#1「ばらばら伝説」。
52.765秒のベストラップでトップに立つ快走を見せました。

2番手には#9「Team鉄砲小僧2026」、3番手に持ち込み勢の#72「デンソーDAC」が続き、上位は早くも激しい周回争いの展開となりました。

2時間経過時点でも#1が114周で首位を堅持。ただし、2位の#8「G7E MP最速伝説」まで2ラップ差、さらに#3「第2倉庫コルセROSSO」、#4「第2倉庫コルセNERO」と倉庫コンビがじわじわと圏内へ入ってきます。

人生初レースの2名を擁する#2は、緊張の初スティントを無事にこなし、堅実にラップを重ねていきます。
初めてのピットインで汗だくになりながらヘルメットを脱ぐ新人の姿に、隣のピットから「ナイスラン!」の声が飛びました。

3時間〜赤旗:SSPの逆襲、そして運命のスイカ割り

3時間経過時点で様相は一変。
#559「SSP」が167周でトップに立ち、#72、#1、#758が2ラップ差でひしめく大混戦となりました。

ここで11時——レギュレーション通り、赤旗が提示されレースは中断。
ライダーたちは日陰へ、マシンはクールダウンへ。
パドックには一斉に給水と笑い声があふれました。

そして休憩中のメインイベント、運命のジャンプアップゲーム。
今回の種目は、なんと「スイカ割り」です。
ルールはシンプル。順位最後尾のチームから順に挑戦し、スイカを割ったチームが起点となってハンデ順位が決定します。

先陣を切った最下位チームは目隠しをされ、仲間の声だけを頼りにスイカへ近づきますが……
「右! 右!」「そっちはちがうー!」の掛け声も空しく、なかなか割ることができません。
続くチームも空振りを繰り返し、会場は笑いと惜しむ声に包まれました。

そして迎えた#4「第2倉庫コルセNERO」の番。
ゆらゆらとスイカに近づき、振りかぶったバットが——「ゴッ!」と気持ちのいい音を立ててスイカを真っ二つ。

見事な一撃にパドックがどっと沸き、ここでゲームは終了しました。

#4が起点となりハンデが決定。
最大の+16周がNEROに、#72・#1・#758に+3周、#8・#2・#6・#9・#3・#7・#5に+6周、さらに#559には車両調整を理由とした+20周の措置が認められました。

約30分の中断を経て、コース上に12台が整列。
ローリングスタートで後半戦が再開されました。

再開直後の4時間経過時点、スイカ割りの勝者#4 NEROが+16周の援護もあって238周でトップへと返り咲きました。

注目は、スティントに入った持田 珠里選手です。小柄な体でグロムを豪快に振り回し、49秒台を連発。
男性陣に一歩も引けを取らない力強い走りでリードを広げ、パドックからとどよめきが起きました。

5時間経過では#4が300周の大台に到達。
#758が292周、#559が291周で追う展開となりました。

一方、序盤をリードした#1「ばらばら伝説」は、ピット回数未達・時間超過により11周減算という痛恨の裁定。
速さを見せながらもレギュレーションの壁に泣く、耐久レースの厳しさを象徴する結末となりました。

終盤:マシントラブルを乗り越えた王者

終盤、波乱は王者候補を襲います。
#4 NEROにマシントラブルの兆候があり、ピットへ戻り慌ただしく点検が入る一幕がありましたが、迅速な対応で大事には至らず、後に+3周の救済措置が認められ、再びコースへ復帰しました。

そのまま#4「第2倉庫コルセNERO」が360周でトップチェッカー。
49.597秒の大会最速ラップと合わせ、スイカ割りの幸運を確かな強さへと変えた、見事な完勝劇となりました。

FINAL RESULTS

6耐ふぇす。(最終結果)

GROM5クラス

                                                              
順位 No. チーム名 周回数(Best Lap)
1位 #4 第2倉庫コルセNERO 360 Lap(49.597)
2位 #758 SSP758 357 Lap(49.864)
3位 #559 SSP 349 Lap(55.242)
4位 #9 Team鉄砲小僧2026 345 Lap(50.581)
5位 #3 第2倉庫コルセROSSO 342 Lap(50.359)
6位 #6 team YMO 341 Lap(51.954)
7位 #72 デンソーDAC 340 Lap(51.915)
8位 #2 磐田サテライトTeams 335 Lap(52.532)
9位 #7 TeamD.I.Y 332 Lap(50.334)
10位 #8 G7E MP最速伝説 331 Lap(54.490)
11位 #5 KOMATSU DRIFT 311 Lap(53.913)
12位 #1 ばらばら伝説 307 Lap(51.979)

総括

序盤は#1の独走、中盤は#559の逆襲、そして赤旗中断とスイカ割りが生んだ大シャッフルから#4 NEROの戴冠——酷暑対策の変則レギュレーションが、起承転結の見本のような6時間を演出しました。

勝因は、49秒台を維持できるスピードと、エンジントラブルさえものともしなかったチームの対応力。
そして持田 珠里選手の快走が、その両輪をつなぐ接着剤となりました。
スイカ割りの一撃が優勝の呼び水になった、というオマケ付きです。

31℃の灼熱の中、赤旗休憩という英断もあって大きな事故なく全車が最後まで走り続け、初レースの2名も6時間を完走しました。

速い者だけが主役ではなく、安全を皆で作り、笑いを皆で分かち合う——そのことを改めて教えてくれる、レン耐らしい真夏の祭典となりました。

参加したすべてのライダー、スタッフ、そして炎天下で声援を送り続けた皆さんに、心から感謝します。

RACE DATA