3時間耐久
序盤〜2時間:ばらばら伝説の独走劇
スタートから飛び出したのは#1「ばらばら伝説」。
52.765秒のベストラップでトップに立つ快走を見せました。
2番手には#9「Team鉄砲小僧2026」、3番手に持ち込み勢の#72「デンソーDAC」が続き、上位は早くも激しい周回争いの展開となりました。
【リード】
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初心者講習が始まり、今日レン耐デビューを迎える10名のライダーが真剣な面持ちで説明に耳を傾けます。ピットインとピットアウトのライン、旗の意味など、一つひとつが丁寧に共有されていきます。「無理をせず、まずは1周走り切ることから」の言葉に、緊張していた表情が少しだけほぐれました。
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スタート時刻が近づく頃、東の空にくっきりとした青が広がり始めます。気温はぐんぐん上昇して32℃。湿っていた路面はまるで乾かされるかのように色を変え、コースは一気にドライへと表情を変えていきました。
9:40、コース上に整列した43台のエンジンが一斉に目覚め、いよいよ袖ヶ浦の3時間が幕を開けました。
【レポート】
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スタート〜1時間:整然としたスタート、そして最初のドラマ
全43台という大所帯にもかかわらず、スタートは驚くほど整然としていました。ル・マン式で一斉にマシンへダッシュし、マシンにまたがってスタートしていきます。大きな混乱もなく、各車が1周目を通過しました。
オープニングラップの順位は、マイスタークラスが#102「お主も悪よのう」、#103「TeamPRIDE ONE」、#111「■TeamYSR」、#101「どこどこツインズ」、#112「パッチWORKS」の並び。グロム5クラスでは#80「Team BLADE」、#3「ポンコツレーシング」、#2が続き、グロム4クラスは#42「292Link・GRACE」、#36「二代目南町奉行B」が先行する展開となりました。
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しかし10:24、最初のドラマが起こります。#101「どこどこツインズ」が3コーナーで痛恨の転倒を喫し、車両回収のためセーフティカーがコースイン。約10分間のニュートラリゼーションにより、レースのリズムはいったんリセットされる形となりました。その後、SCが解除され、レースは再開されました。
レース中盤には#12もコース上に横たわる場面がありましたが、マシンを起こして自力でピットへ戻りました。
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1時間経過時点の中間順位は次の通りです。
マイスター:1位 #111「■TeamYSR」/2位 #103「TeamPRIDE ONE」/3位 #102「お主も悪よのう」
CBR250R:1位 #104「Samson’s」/2位 #105「Team-F」/3位 #112「パッチWORKS」
グロム5:1位 #14「バンタムレーシング」/2位 #3「ポンコツレーシング」/3位 #80「Team BLADE」
グロム4:1位 #44「松戸會withてんとう虫」/2位 #42「292Link・GRACE」/3位 #37「とりあえず走ろう」
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グロム4限定のダブルペリアが呼ぶ波乱
1時間30分が経過したところで、運営から今回限定のレギュレーションが発表されました。ダブルペリアハンデはグロム4クラスのみに適用され、最大加算は+6周。これにより、後半のレースに逆転のチャンスが与えられました。
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2時間経過時点では、マイスタークラスの#111が72周でトップを走行。CBR250Rクラスでは#105「Team-F」がトップに立ち、#112が続く展開となりました。
グロム5クラスでは#80「Team BLADE」が66周で首位へと返り咲き、グロム4クラスはハンデ効果で#42「292Link・GRACE」がトップに躍り出るなど、順位は大きく塗り替わりました。
灼熱の32℃。ピットレーンでは、氷嚢を首に巻いたライダーたちが次々とピットへ入り、水分を補給しながら次のスティントへ備える光景が絶えませんでした。
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終盤〜チェッカー:ペナルティが左右する順位、それでも走り抜けたグリッド
残り1時間、レースは新たな局面へ入ります。「与えられた条件の中で走り切る」——耐久レースの本質を体現するように、コース上の争いは最後まで緩みませんでした。
マイスタークラスでは#111「■TeamYSR」が108周を刻み、1分26秒579のベストラップと合わせて堂々のトップチェッカー。CBR250Rクラスでは#112「パッチWORKS」が106周で見事な逃げ切りを見せ、#113「イエローライン ドンキーズ」、#105「Team-F」が続きました。
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グロム5クラスは#3「ポンコツレーシング」が98周で優勝。#80「Team BLADE」、#8「アシュアドリームRP」、#4「ヨンメイ」がそれぞれ持ち味を発揮する熱戦となりました。
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そして、ハンデによって順位が大きく動いたグロム4クラスでは、女性ライダー・石田さおりを擁する#31「大神のさおり」が95周でクラス制覇。ハンデを跳ね返すのではなく、ハンデを味方につける戦略で勝利をつかみ、パドックからひときわ大きな歓声が上がりました。
【正式リザルト】
▼マイスタークラス250
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Pos. No. Team Laps Best Lap
1 111 ■TeamYSR 108 1:26.579
2 102 お主も悪よのう 102 1:29.567
3 103 TeamPRIDE ONE 97 1:30.606
4 101 どこどこツインズ 91 1:22.917
▼CBR250Rクラス
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Pos. No. Team Laps Best Lap
1 112 パッチWORKS 106 1:27.992
2 113 イエローライン ドンキーズ 105 1:28.498
3 105 Team-F 103 1:29.064
4 106 teamITF 99 1:32.864
5 104 Samson’s 98 1:28.462
▼グロム5クラス
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Pos. No. Team Laps Best Lap
1 3 ポンコツレーシング 98 1:39.109
2 80 Team BLADE 97 1:36.149
3 8 アシュアドリームRP 97 1:39.351
4 4 ヨンメイ 95 1:41.366
5 6 みかんツーレーシング 93 1:40.879
6 11 むしばレーシング 92 1:41.870
7 17 SRC48 91 1:39.527
8 10 ご安全に! 91 1:42.785
9 17 吉萬屋 87 1:40.869
10 18 チームSPC 86 1:42.665
11 5 P4ミサイル 芝刈機O3 86 1:38.869
12 15 オッサンズ 83 1:43.589
13 1 萬年青春族 82 1:37.194
14 14 バンタムレーシング 82 1:39.707
15 ― SONIC 79 1:22.917
16 51 松戸會・エイシーモーターRT 79 1:43.579
17 ― チームスパークリングレッド関東 75 1:38.395
▼グロム4クラス
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Pos. No. Team Laps Best Lap
1 31 大神のさおり 95 1:41.411
2 36 二代目南町奉行B 94 1:41.411
3 34 小山内レーシング26 94 1:42.517
4 32 チームナミヘイ 93 1:44.386
5 43 松戸會・GRACE・DC 92 1:45.325
6 35 二代目南町奉行A 92 1:45.923
7 50 292Link・GRACE 92 1:32.084
8 50 GRACE・292Link 91 1:42.084
9 33 ケイコと不愉快な仲間たち 90 1:33.345
10 37 とりあえず走ろう 90 1:32.507
11 44 松戸會withてんとう虫 90 1:45.849
12 41 ガレージトキタ 二輪部 90 1:47.994
13 38 DNE Aチーム 90 1:41.964
14 40 スクスク軍団 87 1:41.964
15 39 DNE Bチーム 86 1:34.428
▼人生初レースクラス
1位 #36 二代目南町奉行B
2位 #35 二代目南町奉行A
3位 #41 ガレージトキタ 二輪部
▼特別賞
DNE Aチーム、DNE Bチームに贈られました。
【総括】
前日からの雨の名残、走り出しのウェットパッチ、そして32℃の灼熱。決して楽ではないコンディションの中、43台・141名という大所帯が最後まで走り切った3時間となりました。
序盤は#101のクラッシュとSCから始まり、中盤はグロム4限定のダブルペリアが順位を塗り替え、終盤はSC再スタート時の追い越しやホワイトラインカットなど、細かなペナルティが順位を左右する耐久レースならではの緊張感が続きました。
マイスタークラスを制した#111「■TeamYSR」は、乱れのないラップを積み重ねて完勝。グロム5クラスでは#3「ポンコツレーシング」が経験と粘りで王座をつかみ取り、グロム4クラスではハンデを味方につけた#31「大神のさおり」が、石田さおり選手の奮闘とともに歓喜のフィニッシュを迎えました。
CBR250Rクラスの#112「パッチWORKS」も終盤までペースを落とさない走りを見せ、見事にクラス優勝を飾りました。
人生初レースの2名を擁する#2は、緊張の初スティントを無事にこなし、堅実にラップを重ねていきます。
初めてのピットインで汗だくになりながらヘルメットを脱ぐ新人の姿に、隣のピットから「ナイスラン!」の声が飛びました。
3時間〜赤旗:SSPの逆襲、そして運命のスイカ割り
3時間経過時点で様相は一変。
#559「SSP」が167周でトップに立ち、#72、#1、#758が2ラップ差でひしめく大混戦となりました。
ここで11時——レギュレーション通り、赤旗が提示されレースは中断。
ライダーたちは日陰へ、マシンはクールダウンへ。
パドックには一斉に給水と笑い声があふれました。
そして休憩中のメインイベント、運命のジャンプアップゲーム。
今回の種目は、なんと「スイカ割り」です。
ルールはシンプル。順位最後尾のチームから順に挑戦し、スイカを割ったチームが起点となってハンデ順位が決定します。
先陣を切った最下位チームは目隠しをされ、仲間の声だけを頼りにスイカへ近づきますが……
「右! 右!」「そっちはちがうー!」の掛け声も空しく、なかなか割ることができません。
続くチームも空振りを繰り返し、会場は笑いと惜しむ声に包まれました。
そして迎えた#4「第2倉庫コルセNERO」の番。
ゆらゆらとスイカに近づき、振りかぶったバットが——「ゴッ!」と気持ちのいい音を立ててスイカを真っ二つ。
見事な一撃にパドックがどっと沸き、ここでゲームは終了しました。
#4が起点となりハンデが決定。
最大の+16周がNEROに、#72・#1・#758に+3周、#8・#2・#6・#9・#3・#7・#5に+6周、さらに#559には車両調整を理由とした+20周の措置が認められました。
約30分の中断を経て、コース上に12台が整列。
ローリングスタートで後半戦が再開されました。
再開直後の4時間経過時点、スイカ割りの勝者#4 NEROが+16周の援護もあって238周でトップへと返り咲きました。
注目は、スティントに入った持田 珠里選手です。小柄な体でグロムを豪快に振り回し、49秒台を連発。
男性陣に一歩も引けを取らない力強い走りでリードを広げ、パドックからとどよめきが起きました。
5時間経過では#4が300周の大台に到達。
#758が292周、#559が291周で追う展開となりました。
一方、序盤をリードした#1「ばらばら伝説」は、ピット回数未達・時間超過により11周減算という痛恨の裁定。
速さを見せながらもレギュレーションの壁に泣く、耐久レースの厳しさを象徴する結末となりました。
終盤:マシントラブルを乗り越えた王者
終盤、波乱は王者候補を襲います。
#4 NEROにマシントラブルの兆候があり、ピットへ戻り慌ただしく点検が入る一幕がありましたが、迅速な対応で大事には至らず、後に+3周の救済措置が認められ、再びコースへ復帰しました。
そのまま#4「第2倉庫コルセNERO」が360周でトップチェッカー。
49.597秒の大会最速ラップと合わせ、スイカ割りの幸運を確かな強さへと変えた、見事な完勝劇となりました。